制作発表会レポート
Production Announcement Report Thursday August 12th, 2010

宙組公演 ミュージカル『誰がために鐘は鳴る』制作発表会

 8月10日都内某所にて、宝塚歌劇宙組公演 NTT東日本・西日本フレッツシアター ミュージカル『誰がために鐘は鳴る』の制作発表会が行われました。
 当日は、ご協賛を賜る東日本電信電話株式会社(NTT東日本)・代表取締役副社長の前田幸一様と西日本電信電話株式会社(NTT西日本)代表取締役副社長の村尾和俊様、宝塚歌劇団から理事長の小林公一をはじめ、演出家・木村信司、宙組トップスター・大空祐飛、宙組トップ娘役・野々すみ花が出席しました。その模様をダイジェストでお届けいたします!

※制作発表会の模様は映像でも一部ご覧いただけます。
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トップコンビによる楽曲披露 作品の世界へ誘う

 会場の照明が暗転、ステージには大学講師のロバート・ジョーダン役に扮した大空が舞台に登場。
 本作品で音楽スタッフの一人である手島恭子によるピアノの生演奏をバックに、1曲目は大空が初演時の楽曲「幸せの鐘の鳴る日」を熱唱。懐かしいナンバーに、会場は一気に作品の世界へ……。続く2曲目は、マリア役の野々が加わり、しっとりとしたデュエットナンバー、新曲の「胸の高鳴り」を披露しました。
♪1曲目『幸せの鐘の鳴る日』作詞:柴田侑宏 作曲:寺田瀧雄 歌:大空祐飛 ♪2曲目『胸の高鳴り』作詞:柴田侑宏 作曲:長谷川雅大 歌:大空祐飛、野々すみ花  演出の木村は、初演の楽曲も数多く使っていく意向を示すが、「実は公演タイトルの副題が初演時の“ミュージカル・ロマン”から、今回は“ミュージカル”に変わっています。台詞を言っていたのが感情の高まりでそのまま歌に繋がっていく…、それがミュージカルの歌だと思いますので、そういった意味では初演では台詞だった部分が歌へ…というものが増えてくるのではないか」と語りました。
 まさに新曲の「胸の高鳴り」は、『心臓の鼓動がひとつになる』という台詞を改めて歌詞に起こし、ミュージカルとして世界を広げたナンバー。初演の世界観を踏襲しつつも、より深みのあるミュージカル作品へ。演出家の木村の手腕に期待が高まります。
大空祐飛、野々すみ花

それぞれの作品にかける想い、大作に挑む意気込みを語る

 楽曲披露に続き、登壇者による挨拶。ここでは、演出家の木村と宙組トップコンビのコメントを一部ご紹介しましょう。大作に挑むプレッシャーと期待と…。そんな今の心境を語りました。
木村信司
木村信司
 アーネスト・ヘミングウェイ傑作を柴田先生の脚本で演出することができ、とても嬉しく思っております。
 脚本を読み込んでみますと、“人間の絆”というものを描いているのではないかなと思っています
 ご存知のとおり、主人公のロバートは最終的にゲリラと愛したマリアを逃がして、自分自身は死んでしまうのですが、人間というのは死んでしまったら存在がなくなるのではなく、死んでしまっても、その人の想いが生きていく証として、その後にも繋がっていく……。本作ではそういう“人間の絆”が特筆されているのではではないかと思っております。
 美術的な観点から申し上げると初演から変えていこうと思っています。装置の崖の色も白っぽいものにし、全体的に明るく、スペインの空間を感じられるようにしたいと考えております。
 また、今回は初演ではなかった華やかなフィナーレも入れたいと思っています。
大空祐飛
大空祐飛
 本当にたくさんの方に愛されたこの作品、映画ももちろんそうですけれども、私も鳳蘭さん・遥くららさんの初演のビデオを拝見いたしまして、本当にすばらしい作品だと思いました。
 このすばらしい作品、すばらしい役に挑ませていただけるという幸せとともに、緊張で実際に私の胸も高鳴っております。
 私が感じたこの感動をより一人でも多くのお客さまにお伝えできるように、柴田先生の脚本と木村先生の新しい演出で、また、私たちなりに新しい役作りをしていきたいと思います。素直に台本に入り込める、そんなすばらしさを持った作品だと思いますので、四日間をどれだけ充実して生きられるかというところに重点を置いて、私なりの役作りをしていきたいと思います。
野々すみ花
野々すみ花
 初めてこの作品を観た時、マリアという純真で汚れのないその女性に私自身とても魅力を感じ、また憧れていた女性だったので、すばらしい環境の中で、今回このような大きな挑戦をさせていただけることを本当に心より幸せに思っております。
 私自身としましては、ご覧の通り白いブラウスにパンツスタイルで、また短く、激しく刈り上げられた髪の毛に、初めて鏡で自分の姿を見た時は、少し恥ずかしいような気持ちになってしまいました。それはいままで私が、娘役としてきれいなお衣装であったり、髪の毛であったり、いろんな外見で取り繕っていた部分が多かったのかなということを痛感いたしました。
 今回は、飾る部分が外見では何もないですので、飾らない心で穏やかな心で、ロバートを愛し続けたいと思います。

初演コンビに匹敵するパワーのあるコンビ 再演希望が高い作品の待望の上演!

 『誰がために鐘は鳴る』は、1978年に鳳蘭・遥くららのトップコンビを中心とした星組で初演され、大好評を博しました。再演希望の作品は多くある中、なぜ本作が32年を経たいまのタイミングで再演に至ったのでしょうか……。

 宝塚歌劇団理事長の小林は、「これから100周年に向けて作品を選んでいく中で、過去の名作の中でも再演希望が高かった作品をやっていこうと考えております。その中で、『誰がために鐘は鳴る』はひとつの名作でありましたし、初演のトップコンビを凌ぐ力のあるコンビが出てこないとなかなか再演できないと思っておりました。今回、大空と野々のコンビはそれに匹敵するか、それ以上に超えるパワーのあるコンビとなりましたので、それではぜひやってみようと再演という形となりました」と語りました。

 初演から四半世紀以上も経った今だからこそ実現する本作の再演。宙組トップコンビに就任してから1年、充実期を迎える大空&野々を中心とした勢いある宙組での上演は納得。また、80人もの出演者をどのようにみせるかも気になるところです。
 まだまだ進化しつづける宙組パワーにご期待ください!

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