宝塚バウホール開場30周年バウ・ワークショップ『殉情(じゅんじょう)』

宝塚バウホール公演

公演期間:7月17日(木)〜7月27日(日)

出演者主な配役ポスター画像

この公演は終了いたしました(2008年)

宝塚バウホール開場30周年
バウ・ワークショップ
『殉情(じゅんじょう)』

−谷崎潤一郎作「春琴抄」(中公文庫版)より−
脚本・演出/石田昌也

[解 説]
 谷崎潤一郎の名作「春琴抄」のミュージカル化。明治時代の大阪を舞台に、薬問屋の盲目の娘春琴に対する奉公人佐助の献身的な愛を描いた物語ですが、この作品では二人の純愛物語に興味を持った現代の若いカップルが、郷土史研究家から説明を受けるという形で進行して行きます。1995年宝塚バウホールで、また2002年シアター・ドラマシティ、赤坂ACTシアターにおいて、いずれも絵麻緒ゆう主演により再演された作品です。
 6月28日〜7月8日まで早霧 せいな主演、7月17日〜7月27日まで蓮水 ゆうや主演でお送りします。

 現代の大阪。下寺町の墓地でデートをしていたマモルとユリコは偶然、寄り添うように建てられた春琴と佐助の墓石を見つける。そこへ、郷土史研究家の石橋が現われ、「春琴抄」について語り始める。
 明治初頭。佐助が薬問屋鵙屋へ奉公に上がったのは13歳。鵙屋の娘お琴の瞳は、既に光を失っていた。佐助は、琴、三味線の稽古に通うお琴の手曳きが日課で、彼女の美しさ、音曲の才能を崇拝する、忠実な下僕であった。
 佐助は、春琴への思慕から、夜中にこっそり押入れで三味線の稽古を始める。しかし大番頭に見つかり、佐助は大目玉を食らう。ところが、意外にも春琴の助け舟が入り、以後、佐助は春琴から直接指導を受けることになった。二人の様子を見た鵙屋の夫婦は、二人の縁組を考える。実は、春琴も内心では佐助を愛していたのだが、素直に振舞えなかったのだ。
 お琴の師匠として看板を出した春琴の元には、前々から春琴に好意を抱いていた大店の若旦那利太郎も弟子入りした。度々春琴に言い寄る利太郎に、春琴は厳しい稽古をつけ、撥で怪我を負わす。利太郎は激怒し、捨て台詞を残し帰って行く。その夜、何者かが春琴宅に忍び込み、就寝していた春琴は顔に煮え湯を浴びせかけられ、大火傷を負う。
春琴の顔に火傷の跡が残った。この傷跡を佐助にだけは見られたくないという春琴の言葉を聞いた佐助は、自らも盲目となり、春琴と同じ世界で生きていこうと決心する……。