日中国交正常化30周年記念「宝塚歌劇 第2回中国ツアー公演」
TOP 詳細はこちら 作品の概要

作品の概要

舞踊劇『蝶・恋(ディエ・リエン)』―燃え尽きるとも―
中国の有名な説話「梁山伯と祝英台」と日本の歌舞伎「けいせい倭荘子」、
日本舞踊「蝶の道行」を基本にした、新しい舞踊劇(約60分)。

<物 語>

 平安朝の頃。御所の舞楽司として身を立てようと夢を抱いて、地方から都にその登用試験を受けに来た二人の若者、雪若と霧音がいた。
 二人は笙ヒチリキの音の優しさ、心に染み透る清々しさに見せられ、その優しい音に支えられて舞う舞楽を志したのである。
 似た境遇の二人は次第に親しくなり、共にその夢を語り合い、いつしか兄弟のような友情が芽生えていった。そして舞楽という共通の目標に向かって強い絆で結ばれていった。
 しかし、霧音には秘密があった。実は霧音は東国常陸の受領の娘だったのである。舞楽の道を志した霧音は、父の許しを得て二年間の約束で都へと出てきたのだが、舞楽には女性は学べないという掟があるため、男装をしていたのである。雪若との絆が強くなればなるほど、霧音の女心は揺れた。
 一方、若く凛々しい雪若は御所でも評判になり、上臈方が言い寄ってくる。そんな様子を見るにつけ、霧音は心中穏やかではいられず、稽古もおろそかになる始末だった。それが恋であると気付き、愕然とする霧音。しかし、女性であるという秘密だけは明かすことはできない。恋心を胸の内に秘めているほかなかった。
 しかし、性別を隠し続けることにも限度があった。ある時、雪若は霧音が女性であることを知ることになる。友情もこれまでと嘆く霧音に、以前から恋慕の気持ちを押さえていたと真実を吐露する雪若。そして女性でも舞える新しい舞楽を二人で作ろうと励ますのだった。愛を確認した霧音は雪若の胸に飛び込んでいった。二人は甘く美しく激しく連れ舞う。
 そんな時、霧音に父が病の床に伏し余命幾ばくもないとの文が届けられる。雪若と霧音は別れに「胡蝶の舞」を舞う。再会を固く約束し、霧音は故郷への帰途につくのだった。
 霧音が故郷へ戻ると、既に父は亡くなっていた。受領の娘である霧音には、家を守るため婿が決められていた。苦悩の末、雪若との愛を貫くために霧音が選んだのは死であった。雪若への思いを胸に、二人で舞った名残の舞楽を舞いながら、霧音は自害する。
 暫くして雪若が霧音を迎えにやって来る。悲しい現実を知った雪若は、霧音の墓前で号泣した。
 そこへ何処からか懐かしい霧音の声が聞こえてきた。すると突然墓が割れ、雪若はその中に誘われるように入っていく。
 燃え尽きるともこの愛永遠に…
 燃え尽きるともこの愛永遠に…
 やがて墓の中から、まるで二人の化身かのような美しい二匹の蝶が舞いあがった。そして二匹の蝶は、七色の虹の輝く美しい空の彼方で、胡蝶たちに守られながら、永遠の愛を謳い上げ舞い続けるのであった。いつまでも… いつまでも…。

ダンシング・ファンタジー『サザンクロス・レビュー・イン・チャイナ』
1997年に初演、2001年に再演し、いずれも好評をいただいた作品
『サザンクロス・レビュー』を更にグレードアップして構成。
南半球の夜に輝くサザンクロスの下で繰り広げられる様々な人間模様を
ダイナミックなダンス・ナンバーで綴った
人間讃歌のファンタジック・ショー(約60分)。

<内 容>

第1章 サザンクロス・レビュー(プロローグ)
「サンバ!」の掛け声で、極彩色の衣装をまとったカリオカたちによるカルナバルが始まる。カリオカの群集が潮が引くように去ると、一時の静寂が訪れる。祭の夜の灼熱の恋。やがて、津波のように再びカルナバルの群集が戻ってきて、激しい祭の歌と踊りが続く。そしてカルナバルのスターを迎え、祭は最高潮に達する。
第2章 カリブ
カリブ海に浮かぶ国、キューバ。その首都ハバナに住む青年が、カルナバルの夜を楽しもうと街へ繰り出す。街の男がたむろするハバナの街の一角で、青年は仲間に加わり踊ろうとするが、その時、蚊が飛んできて踊りの邪魔をする。蚊が織り成すおかしなマンボのダンス。コミカルなダンスは一変して、激しいカリビアンリズムの音楽となる。星の降る夜、ラテンの男女がリズムに酔いしれて踊る。
第3章 ブエノスアイレス
男たちだけのタンゴクラブの夜。燕尾服姿の男同志による妖しいダンスをピアソラの曲に乗せて。
第4章 ブラジルの夜
「ベサメムーチョ」などスタンダードなラテン曲のメドレー。
第5章 蝶のカルナバル
蝶にまつわる日本の歌と中国の有名な歌曲を中国語で披露。森に群なす蝶たちの踊りが、やがてラインダンスとなる。
第6章 パタゴニア
パタゴニア地方の一角、南極に近い街。南十字星の輝く夜、恋する男女の姿があった。男の名はノニーノ、女の名はファニータという。二人は互いに真実の愛を誓い合う仲であった。ところが二人の属する一家、シルヴァ家とエスメラルダ家は互いに仲が悪く、争いが絶えなかった。今日も、両家は街でバッタリ出会ったために争いとなる。その仲介に入る男、クラプキ。いつわりの和解。ノニーノとファニータの一時の愛。再び激しい対立関係を呈するシルヴァ家とエスメラルダ家。二人の愛はその間で弄ばれ……。そして遂に訪れた二人の死。南極に近い街に雪が降る。ノニーノを愛する祭好きな女が、その死を悼み激しく泣く。クラプキは二人に別れの歌を歌う。二人の死によって両家は無言のうちに和解する。二つの遺体を埋葬する両家の若者。二つの遺体を丘に並べて寝かせた。誰かが十字架を立てた。赤い夕陽の中、雪が深々と降る。こうしてノニーノとファニータは死んだ。
第7章 カルナバル幻想
氷の世界。南十字星が燦々と輝く中、ノニーノとファニータが新しい生命を得る。輪廻転生、二人はもう一度、愛に生き始める。力強く、どこまでも…。ノニーノとファニータが幻想のカルナバルの世界で遊ぶ。純白の氷の世界の中で、カルナバルは激しく熱く燃えあがる。そして、祭は大いなる歓喜へと向かう。ノニーノは南十字星目指して飛ぶ。南十字星の祈りを実現するために高く高く飛ぶ。どこまでも高く飛ぶ。気付くと、ノニーノのもとへかつてのカルナバルの仲間たちが極彩色の衣装をまとって帰ってきたではないか。
第8章 サザンクロス・レビュー(フィナーレ)
大階段を使ってのカルナバルの大パレード。全員が登場し、再び歓喜に包まれて踊るうちに、カルナバルの季節は終る。

(c) 宝塚歌劇団
当ホームページに掲載している情報については、当社の許可なく、これを複製・改変することを固く禁止します。
また、阪急電鉄並びに宝塚歌劇団、宝塚クリエイティブアーツの出版物ほか写真等著作物についても無断転載、複写等を禁じます。