第二次大戦前、アルジェリアがまだフランスの領土であった頃。総督府のおかれたアルジェの街にジュリアン(霧矢大夢)という若者がいた。彼はスラム街で育った孤児で、今は仲間と組んで悪事を働いていたが、いつかパリで一旗上げるという野心を抱いていた。
パリ祭の夜、ジュリアンは仲間のジャック(龍 真咲)と賭けをして、ボランジュ総督(越乃リュウ)の財布を抜き取ることになるが、この賭けが彼の運命を変えてしまうことになる。 賭けに失敗し、ジュリアンは総督の家まで連れて行かれる。総督はジュリアンに男の生き方を語り、ジュリアンは自分の人生を総督にゆだねてみる決心をする。ボランジュ氏の許で、運転手から人生をやり直すジュリアン。 そんな折、総督交代のため、ジュリアンはボランジュ氏とともに待望のパリに向かうことになる。ジュリアンを愛するサビーヌ(蒼乃夕妃)は、彼の門出を心から祝福するとともに、別離を悲しむ。
それから5年後。ジュリアンは、懸命に勉学に励み、今ではボランジュ氏の有能な秘書官であり、社交界の星にもなっていた。そんなジュリアンをボランジュ氏は一人娘のエリザベート(彩星りおん)と結婚させ、自分の後継者にしようと考えていたが、エリザベートはジュリアンに見向きもしなかった。
一方、社交界で権力を持つシャルドンヌ夫人(邦なつき)邸の夜会でジュリアンは、両親を亡くしシャルドンヌ夫人と暮らす盲目の姪アナ・ベル(花陽みら)と、将軍であったアナ・ベルの父親の部下で、今は軍を除隊したアンリ・クローデル(明日海りお)と出会う。シャルドンヌ夫人はジュリアンに、自分が可愛がっているアナ・ベルと結婚してくれるなら、政界での将来を保証するとほのめかす。
その夜、ジュリアンは秘書官仲間たちと夜会を抜け出し下町に遊びに行く。あるナイトクラブでジュリアンはサビーヌに出会う。ジュリアンを追ってパリまでやってきたが、自分が近づけばジュリアンに傷がつく、ただ出世していくのを見守ろうと決心したというサビーヌ。その優しい心にジュリアンは動揺する。その時、ジュリアンの過去を知る男が目の前に現れ……。
第1章 【プロローグ−Dance Romanesque−】
第2章 【Talisman(タリスマン)−お守り−】
第3章 【ノートルダム・ド・パリ】
第4章 【月色男子(ツキイロダンシ)】
第5章 【Baila!−踊れ−】
第6章 【SKY DANCE】
第7章 【フィナーレA−Song&Dance−】
第8章 【フィナーレB−Bolero−】
第9章 【フィナーレC−Duet Dance−】
第10章 【フィナーレD−Grand Parade−】
『Dance Romanesque』は、 “ダンスは一瞬を永遠に変える”というテーマのもと、様々なダンス・スタイルが展開されます。
ソロ、デュエット、群舞、総踊りと、絶え間のない動きとフォーメーションの変化のタペストリーが繰り広げられるプロローグから、スタンダードな曲をラテン・アレンジのメドレーでつづる中詰。そして、男役群舞にトップコンビのデュエットダンスなど「これぞ、タカラヅカ!」というフィナーレ。ほかに、ヴィクトル・ユーゴーの小説「ノートルダム・ド・パリ」の世界を描く場面や、月組若手男役のK-POP風イケメン男子が、そのイケメンぶりをアピールし踊る場面など、月組の、タカラヅカの魅力が色々な角度から楽しめます。
劇場でしか味わえない、その場の空気、臨場感、迫力、熱気をぜひ体感ください!
ステージを万華鏡の世界にみたて展開していくプロローグ。
総踊りでは、月組全員が一体となった熱い情熱が、舞台にとどまらず一階席、二階席にも溢れだし爆発します。
(一階席、二階席への出演者の客席降りもあります)