The Lost Glory ―美しき幻影―

ストーリー

1929年夏。第一次世界大戦後の好景気がアメリカ経済に空前の大繁栄をもたらし、黄金の夢に包まれたアメリカが栄光の頂点にあった時。ニューヨークには成功と快楽と欲望を追い求めて、様々な人びとが集まっていた。
イタリア系実業家とその妾の間に生まれたイヴァーノ・リッチ(柚希礼音)は、一流の建築会社ゴールドスタイン社で会社経営の中枢を担っていた。その彼が見つめる先には、ゴールドスタイン社の社長であるオットー・ゴールドスタイン(轟悠)の姿があった。
ウォルター・P・ライマン(十輝いりす)が率いるライマン財閥の後ろ盾を得、不屈の精神と実業家としての並はずれた才能を発揮して、“建築王”として地位を築いたオットー。ギリシャ移民としてアメリカに渡り、アメリカンドリームを実現させた彼は、更なる幸せを手に入れようとしていた。
記者会見で華々しく発表されたのは、ニューヨーク一の高層ビルの建設とそのための新会社設立。新会社の名はディアナ・ゴールドスタイン。オットーは、ニューヨーク社交界の宝石とも呼ばれ、新しい時代の女性として羨望を集める大富豪キャンベル一族の令嬢、新進画家のディアナ・キャンベル(夢咲ねね)を妻に迎えることを電撃発表する。
新会社の社長には、イヴァーノが就任するとの予想を裏切り、オットーはディアナの遠縁にあたる有力政治家の息子カーティス・ダンフォード(真風涼帆)を指名する。
一方、ディアナの結婚を知って、美術教師のロナルド・マーティン(紅ゆずる)は打ちのめされる。ボストンの中流家庭に育ち、ディアナの初恋の相手だった彼は、財産がないために結婚できなかったディアナのことが忘れられず、ニューヨークに出て来ていたのだ。
イヴァーノはロナルドの心にオットーへの復讐の炎を灯させる。その復讐の炎の源は、イヴァーノの心の奥底に燃える野心の炎だった。

Characters 登場人物紹介

  • 轟 悠
    オットー・ゴールドスタイン
    Otto Goldstein (=オセロー)
    轟 悠

    ギリシャからの移民としてニューヨークに渡りアメリカンドリームを実現させた男。第一次世界大戦における功績によりライマン財閥の後ろ盾を得、不屈の精神と実業家としての並みはずれた才能を発揮して、建築王の座に上り詰める。

  • 柚希 礼音
    イヴァーノ・リッチ
    Ivano Ricci (=イアーゴー)
    柚希 礼音

    オットーの下で財務一切を担当し会社経営の中核を担って来た男。イタリア系実業家の父により英才教育をほどこされるが、 母が妾の踊り子であった為、閉鎖的な上流社会に対する憎しみを抱き続け、社会に対する飽くなき野心に燃える。

  • 夢咲 ねね
    ディアナ・キャンベル
    Deanna Campbell (=デズデモーナ)
    夢咲 ねね

    アメリカ屈指の名門、大富豪キャンベル一族の令嬢。上流社会の束縛を嫌い、画家として自由奔放に生きるフラッパーガールの代表的存在。その美貌から、ニューヨーク社交界の宝石と呼ばれ、新しい時代の女性のシンボルとして羨望を集める。

  • ロナルド・マーティン Ronald Martin (=ロドリーゴ)
    紅 ゆずる

    ボストンの中流家庭に育った美術教師で、ディアナの初恋の相手。財産がない為に結婚出来なかったディアナのことが忘れられず、ニューヨークに出て来る。

  • カーティス・ダンフォード Curtis Dunford (=キャシオー)
    真風 涼帆

    ディアナの遠縁にあたる有カ政治家の息子。家柄、容姿共に申し分なく、優秀でありながらも未来に希望を持てず酒と女に溺れるロストジェネレーションそのもののような男。

  • サム 美城 れん

    長年、献身的にオットーに仕えて来た黒人の召使い。妻を亡くし、息子と共にオットーの世話になり、住み込みで身の周りの世話をしてきた。



    ウォルター・P・ライマン 十輝 いりす

    ライマン財閥会長。第一次世界大戦中、オットーの活躍によって一命をとりとめ、その後、資金的な援助はじめ彼の後ろ盾となって、ゴールドスタイン・アメリカを支える。



    レイモンド・ウォーカー 天寿 光希

    タイムズ誌の若い記者。カーティスの学友。

    エマ・バーンズ 音花 ゆり

    ディアナの親友の美術商で、レイモンドの恋人。



    ミラベル・ベネット 綺咲 愛里

    コネチカットから出て来たばかりのエマの従妹。



    パット・ボローニャ 礼 真琴

    ウォール街の全てを掌握する伝説の靴みがき少年。



    ベン・リチャードソン 美稀 千種

    ゴールドスタイン・アメリカ社、重役。

    スティーブ・ブラウン 瀬稀 ゆりと

    ゴールドスタイン・アメリカ社、重役。

    トーマス・フリン 夏樹 れい

    ゴールドスタイン・アメリカ社、重役。

    ヘンリー・コリンズ 十碧 れいや

    ゴールドスタイン・アメリカ社、重役。

  • バーバラ・キャンベル 万里 柚美

    ディアナの母。

    リチャード・キャンベル 輝咲 玲央

    ディアナの父。アメリカ建国当時から続く名門の家系。

    ディアナの伯母 毬乃 ゆい
    ディアナの伯母 白妙 なつ
    ディアナの従兄 大輝 真琴


    フランシス・デュモント 音波 みのり

    大物相場師デュモント氏の若妻。夫との不和からカーティスと深い仲になり彼に執着する。



    エヴァ 妃海 風

    7歳の時に別れたオットーの母。

    7歳のオットー 城妃 美伶



    ムッシュ・ヴァラン 壱城 あずさ

    オットーが贔屓にしている宝石商。



    ウィル・スミス 鶴美 舞夕

    ハーヴァード経済学会の経済学者。



    スタンリー・フリオーネ 汐月 しゅう

    イヴァーノの指示で動く株式仲買人。

  • マイケル・アレン 麻央 侑希

    ライマンビルの建設を任された建築デザイナー。

    エリオット・マーフィー 瀬央 ゆりあ

    マイケルのアシスタント。



    ハリー・エヴァンズ 海 隼人

    ニューヨーク市行政局長。



    ドン 如月 蓮

    ウォールストリートのプレッツェル売り。

    ビル 紫藤 りゅう

    ウォールストリートの号外売り。



    運の良い主婦 優香 りこ



    ジョー 音咲 いつき

    オットーに可愛がられていたサムの息子。

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