<公開記者会見> 演出家・小池修一郎が語る見どころ

霧矢大夢 のパーシー

霧矢大夢の持ち味というのは豪快な開放感みたいなところにあります。
元々エンターテイナーとしての魅力をものすごく持っている人だと思うのだけれども、今回はそれに加えて宝塚のトップ男役のかっこよさをストンと出していいのではないかと思います。
胸のすく冒険をする“男の中の男”というか、ちゃんとインテリジェンスがあって、でも行動力のあるヒーロー像というのを非常にわかりやすく立体的に表現してくれるのではないかと思っております。もちろん宝塚屈指のダンサーのひとりでもありますから、動くところは存分に動いてもらおうと思っております。
霧矢大夢という人は、こういうハードルの高い作品に挑戦するときに本当に安心して任せられる実力と経験の両方を持っていると思います。

蒼乃夕妃 のマルグリット

蒼乃夕妃は、色気があるので今回のマルグリットではとても生きるであろうと思っております。
2年前に(星組の)新人公演でこのマルグリットを演じていることもありますし、霧矢大夢とのコンビは彼女の大人っぽさが上手く生きて、粋だなと思うんです。夫婦の中でのすれ違いというものも、2人だと納得がいきすんなり見ていられて、トップ娘役としての初主演にしてはそこを成立させているところがあります。
ちょっと度胸をつけてくれるとダッと花開くかなと思っております。

龍真咲・明日海りお のショーヴラン

龍真咲は、思っていることが割とストレートに出せるという点で演技者に向いているところは多々あると思いますし、ちょっとファナティックな個性が役と合ったときにすごくエネルギーが出ると思います。
明日海りおは、割とクールに見えるタイプで、内側に秘めているものをなかなかギリギリまで出さないようなタイプですが、本番になると結構やるんですよね。
個性や持ち味は違うと思いますが、2人がすごく似ているタイプであったらばダブルキャストにする意味はなかったのではないかなと思います。宝塚の男役がこなしてくには、音域が広いのでなかなか難しいですが、それをクリアできる歌の力を2人とも持っておりますし、挑戦していくところに宝塚歌劇のおもしろさがすごくあると私は思っておりますので、2人の若さを抑えての熱演は見ものだと思っております。

新生月組とは…

月組が代変わりして、みんなで1つステップアップしていこうというときで、それとこの作品のもつ「みんなで苦難を乗り越えよう」というテーマがものすごく合致しているということを感じております。
前回の星組のときよりも学年的に若いのかもしれないけれど、その分のフレッシュなパワーというところを生かしていければいいと思っております。
月組は霧矢大夢のもつプロフェッショナルな魅力と若くてフレッシュな組子たちが一緒にやるところから出てくる、層の厚い感じが面白いのではないかと思います。
まだ月組の『スカーレット・ピンパーネル』は走り出したばかりなのですけれども、初日に向けて、一同本当に頑張って船出して参りたいと思います。

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