星組 東京宝塚劇場公演【礼真琴 退団】千秋楽

2025.08.11

8月10日(日)、星組東京宝塚劇場公演 ミュージカル『阿修羅城の瞳』、ファンタジック・タペストリー『エスペラント!』が千秋楽を迎えました。

星組トップスター礼真琴が、東京宝塚劇場での最後の舞台に立ち、客席からの温かい拍手に包まれながらその幕を下ろした後、引き続き、記者会見を行いました。   

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礼真琴
「星組のみんなとお客様の熱い想いに包まれた日々は、気が付けばあっという間に過ぎていきました。生きてきた中で、こんなに幸せなことはないと思えるような一日を過ごすことができ、今は幸せいっぱいでございます。本当にありがとうございました。」

Q. 自身にとって「宝塚歌劇」とは?
A. 初めて観た時に感動した、唯一無二の素晴らしい世界に飛び込んでから、芸事としてもたくさんのことを学びました。そしてそれ以上に、“人との関わり”の中で宝塚がどれほど愛される場所になっているかを、17年間かけて学ばせていただきました。今の“礼真琴”という人間をつくってくれた、私の青春のすべてです。

Q. 宝塚生活での壁をどう乗り越えてきたか
A. ありがたいことに、下級生の頃から上級生の中に混ざって一緒に場面をつくる経験をたくさんさせていただきました。与えていただくものに自分が全く追い付けないという状況を幾度となく経験して、できない自分とたくさん向き合い、闘いながら過ごしてきました。中でも一番大きな出来事はコロナ禍でした。誰も経験したことのない事態に立ち向かう恐ろしさを目の当たりにしながらも、星組生やお客様となんとか前に進んできた道のりがあったからこそ、今、すべてのことへの感謝の想いがあふれていますし、自分の成長にも繋がったのだと思います。

Q. あらためて男役の魅力とは?
A. 17年間男役をさせていただいていると、朝に目覚めた瞬間から男役なんですよね。仕草ひとつも自然に染みついている“男役”をあらためて振り返りますと、険しい道のりも歩んでまいりましたが、素晴らしいスターの方々の下で育てていただき、今、自分がつくり上げた“礼真琴”という男役が、ここに終着地点を迎えられたことが一番の誇りです。心を大事にしていきたいという思いで最後まで駆け抜けてきましたので、男役というものは、本当に未知の世界で完成することのない、でも最高に楽しい、宝塚歌劇一番の魅力だと感じます。

Q. ショーで着用した、装飾のない黒燕尾への想い
A. 宝塚の男役は全員が自分の黒燕尾を持っています。その自分だけの黒燕尾を着て、最後の姿をお客様にお見せしたいと思いました。男役としてのこだわりが詰まったレビューを生田(大和)先生がつくってくださったと思っております。

Q. ステージに手を触れる場面に込めた想い
A. 日々、舞台への感謝を手のひらに込めて、少しでも私の想いをそこに残していけたらと願いながら手を添えてきました。今日は、無事に最後の幕が下りますようにという願いも込めさせていただきました。

Q. 今後について
A. これまで男役として生きてきた私が、これからはどう生きていくのか、まずはそこに向き合わなければと思いますが、宝塚に入ったからこそ歌うことが大好きになりましたので、どこかでまた私の歌を聴いていただける機会があったらな、という夢はあります。新たな人生で、またもがきながらいろいろなことに挑戦できればと思っております。

Q. 今日でお別れする“タカラジェンヌ・礼真琴”に掛けたい言葉は?
A. 「こんなにもたくさんの方々のおかげで、今こんなに幸せなんだぞ」と、今、もう一人の私が私に向かって叫んでいます。出会ってくださったすべての皆さまのおかげで、最高に幸せな宝塚人生だったと胸を張って言えます。   

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