『義経妖狐夢幻桜(よしつねようこむげんざくら)』
作・演出/谷 貴矢
ヨシツネはかつて天才的軍略で平家を打倒した英雄であったが、その存在を危険視した兄ヨリトモによって陥れられ、追われる身となっていた。あてどない逃避行の末、自分がどこにいるのかもわからなくなっていたある日、ヨシツネはツネと名乗るキツネ憑きの少女と出会う。少女の願いを一つ叶えるという約束と引き換えに、ただ一人の従者ベンケイと共に果てなき雪の隠れ里に誘われていくと、そこは奇妙に文明の進んだ不思議な村だった。村で久しぶりの休息をとったヨシツネ達は再び出発しようとしたが、雪に惑わされ、何度やっても村に戻ってきてしまう。村人たちは、それこそツネの幻術であり、その代わりこの村には無限の安息があると笑うのだった。一方その頃、ヨシツネを追うため村への入口を探すヨリトモの前にもツネが現れ、同じく夢幻の里へと誘っていく・・・。
果たしてヨシツネは、ヨリトモの追手とツネの幻術を振り払い、桜咲く外界へ戻ることができるのか。雪桜乱れ舞う、妖幻なる和風ロックファンタジー。