『THE SCARLET PIMPERNEL』あらすじ
フランス革命の最中。パリではジャコバン党による粛清の嵐が吹き荒れ、今日もまた貴族たちが断頭台の露と消えていく。革命は血なまぐさいクライマックスを迎えていた。そんな中、イギリス貴族のパーシー・ブレイクニー(霧矢大夢)は、仲間とともに秘密結社を組織し、革命政府に捕えられた貴族たちを救うため、人知れず鮮やかな救出劇を展開する。無実の命を救うため暗躍するこの一団は、残された紋章から「スカーレット・ピンパーネル(紅はこべ)」と呼ばれるが、その正体は、誰も知らない。舞台はフランスのコメディ・フランセーズ劇場。この日を限りに結婚するという女優のマルグリット・サン・ジュスト(蒼乃夕妃)が最後の舞台に立っていた。イギリス貴族パーシーとの結婚だ。ところが、舞台上での革命を否定する発言から、革命政府公安委員のショーヴラン(龍真咲/明日海りお)が現われ、公演を中止し、劇場は閉鎖される。マルグリットとショーヴランはかつてのフランス革命の同志であり、ショーヴランはその弱みにつけ込んでマルグリットを脅し、「スカーレット・ピンパーネル」の情報を得ようとする。「スカーレット・ピンパーネル」の正体を知らないマルグリットは、ショーヴランに脅されるまま、「スカーレット・ピンパーネル」が救出しようとするサン・シール侯爵の居場所について、彼に危害を加えないという条件で教えてしまう。ショーヴランがそんな条件を飲むわけもなく、サン・シール侯爵は捕えられ、断頭台へと送られる。
数日後、パーシーとマルグリットの婚礼の儀式が、イギリスで執り行われていた。その最中、パーシーは友人サン・シール侯爵の死を知らされる。その上、その死には、マルグリットの密告が関わっていたことを知り、パーシーの幸せはいきなり打ち砕かれる。妻への懐疑が晴れぬまま、パーシーは「スカーレット・ピンパーネル」としてフランス政府の非道なやり方に対して立ち向かうべく、友人たちを集める。彼らの最大の狙いは、亡きフランス国王の遺児ルイ・シャルルの救出であった。一団は、正義のために団結し、ドーヴァー海峡を渡っていく。鮮やかな救出劇を展開する「スカーレット・ピンパーネル」に怒り心頭となった革命政府の指導者ロベスピエールは、ショーヴランに「スカーレット・ピンパーネル」の徹底的な撲滅を命じる。「スカーレット・ピンパーネル」がイギリス貴族らしいとの情報を掴んだショーヴランは、フランス政府の全権大使として、燃えるような決意とともにイギリスへ渡る。
一方イギリスでは、パーシーと仲間たちが軽薄な洒落者を演じ、フランスでの活動をひた隠しにしていた。マルグリットは夫が何故よそよそしく冷淡になったのか理解できず、弟アルマン(龍真咲/明日海りお)に悩みを打ち明ける。イギリスに到着したショーヴランはマルグリットのもとを訪ね、「スカーレット・ピンパーネル」を探し出すための協力を頼む。マルグリットは断るが、彼女の弟アルマンを「スカーレット・ピンパーネル」の一味に加担した疑いにより拘束し、彼の命と引き換えに情報を提供するよう脅しをかける。弟を救いたい一心で「スカーレット・ピンパーネル」を探すマルグリット、彼女の行動に疑惑ばかりがつのるパーシー、彼らを利用して目的を達成したいショーヴランの間に、謎解きのゲームが始まる。