レビュー・ショー作品における、紅ゆずるの魅力

『Bouquet de TAKARAZUKA(ブーケ ド タカラヅカ)』は、紅ゆずるにとって星組トップスター就任後、初めての宝塚大劇場・東京宝塚劇場でのレビュー作品です。ミュージカル『THE SCARLET PIMPERNEL(スカーレット ピンパーネル)』でトップスターとしての魅力と実力を存分に発揮した紅が、ショースターとしてどんな輝きを見せてくれるか、今から胸が躍ります。
これまで紅が出演したレビューやショーの印象的な場面を振り返り、その魅力に迫ってみましょう!   

星組公演『LUCKY STAR!』(2002年)

当時のトップスター・香寿たつきの華やかなダンスと安定した歌唱力、その力の全てをバラエティーに富んだ場面によって引き出した、エンターテインメント性溢れるレビュー作品。男役スターが充実した当時の星組ならではの華やかなレビュー。香寿のトップお披露目と、第88期生の初舞台が重なり、絢爛に春を彩る公演となりました。

【ラインダンス】より

香寿の「ラッキースター88!」の紹介の一声に迎えられて始まる、フレッシュなラインダンス。ピンクの可愛らしい衣装に身を包んだ初舞台生が、ピッタリと息の合ったラインダンスを笑顔で披露。紅ら第88期48名が、華やかにタカラジェンヌとしてのスタートを切りました。

  

星組公演『ノバ・ボサ・ノバ』(2011年)

ブラジルのリオ・デ・ジャネイロのカルナバル。義賊ソールと観光客の娘エストレーラの恋を軸に、一つのネックレスを巡って次々と巻き起こる事件を、軽快なサンバのリズムに乗せて熱く描いたショー。1971年の初演以来、1972年、1976年、1999年と再演のたびに好評を博した鴨川清作の傑作が、初演から40年という記念すべき年に甦りました。

【役替わり オーロ/マール/メール夫人】より

紅は、許嫁のいる娘ブリーザと恋に落ちる盗賊のオーロ、ブリーザの許嫁で物売り男のマール、エストレーラの母メール夫人の3役を役替わりで演じました(写真はオーロ)。オーロでは若いエネルギーの中に男役の色気をにじませ、マールでは真っ直ぐで情熱的な青年の苦悩を熱演、メール夫人では飄々としたコミカルなムードで客席を沸かせるなど、三様の個性を見事に演じ分け、成長を感じさせる公演となりました。

  

星組公演『Étoile de TAKARAZUKA(エトワール ド タカラヅカ)』(2012年)

Étoileとはフランス語で“星”。夜空を染め上げる、悠久の美しい星の数々、その星たちが織り成し形作る星座の神話から受けたイメージをレビューで表現。当時の星組トップスター・柚希礼音率いる星組の、美しく輝かしいキラ星たちが奏でる、美しくゴージャスなレビュー作品です。

【第7場 Gemini(ふたご座)】より

半分は男、半分は女の衣装をまとったとある劇場のボードビリアン・ジェミニに扮した紅が、人生の明暗を感じさせるシャンソンを軽妙に、時に切なく歌ったシーン。表情と声色に絶妙な変化をつけ、紅自身のボードビリアンぶりを披露。天性のコメディセンスが垣間見えるシーンでした。

  

星組公演『パッショネイト宝塚!!』(2014年)

ラテン世界を題材としたショーは、宝塚歌劇の歴史を彩ってきたショー作品の魅力的なレパートリーの一つです。宝塚歌劇100周年の年に、そんなラテンの世界を表現したショーを、情熱的でエネルギッシュ、ダイナミズムに溢れた柚希礼音を中心とした星組が華麗に魅せました。

【第3場a ザ クルーズ(ようこそジャングル)】より

サファリルックできめたジャングル船長の紅が、サンバのリズムに乗って観客を「アマゾンクルーズ」へと誘います。神秘に満ちた密林で起こるドラマへの案内人として、観客の心をしっかりとキャッチ。巧みなアドリブでも観客を大いに楽しませ、エンターテイナーぶりを発揮しました。

  

星組公演『THE ENTERTAINER!』(2016年)

星組の魅力を余すところなく見せた華麗多彩なショー。
日常を忘れさせ、観客に最高の感動を与える者「ENTERTAINER」をテーマに、心躍る場面の数々で構成されました。まさに新時代のエンターテインメント・ショーと呼ぶにふさわしい作品でした。

【第5場A~B FLY ENTERTAINER!A~B】より

紅が、この公演で初舞台を踏んだ第102期生への応援歌を歌う場面。“春の空に飛翔する鳥”をイメージしたラインダンスを披露する初舞台生に、これからエンターテイナーとして羽ばたいてほしいという思いを込めて歌う紅の温かな歌声は、100年を越えて受け継がれる宝塚歌劇の伝統を感じさせました。

  

星組公演『ロマンス!!(Romance)』(2016年)

宝塚レビューの伝統である、華やかで美しく香り高い世界を描いた、ロマンチック・レビュー・シリーズ第19作品目。この公演が退団公演となった、当時の星組トップスター・北翔海莉の魅力を存分に生かしたレビュー作品です。宝塚歌劇の永遠のテーマでもあるロマンチックな“愛の世界”をバラエティー豊かに描き出しました。

【第22場 フィナーレ】より

「イル・モンド」に乗せた大勢の一糸乱れぬボレロの場面から一転して、綺咲愛里とともに「アイ・ラブ・レビュー」をエレガントに歌うシーン。更にゴージャスなパレードへと繋げる清涼剤のようなこの場面で見せた、伝統的なタカラヅカの男役の優美さに、観客は魅了されました。

  

華のあるスターとして輝きを放ち、観客の心をとらえてきた紅ゆずる。
トップ就任後、初めてのレビュー『Bouquet de TAKARAZUKA』は、タカラヅカレビューの伝統を紡ぐ豪華絢爛な作品。紅の新たな一面を拓き、魅力はじける作品となることでしょう! ぜひ、劇場に足をお運びください!