ストーリー

先祖代々フランス王家を守る役目の家柄であるジャルジェ将軍家の末娘オスカルは、幼い頃より男の子として育てられていた。ある日、オスカルの乳母マロングラッセの孫のアンドレが屋敷にやって来る。幼くして両親を失ったアンドレは、ジャルジェ家に引き取られ、オスカルと共に兄弟のように成長していく。

栄華を誇ったブルボン王朝も、ルイ16世の時代には翳りを見せ始め、国家の財政は逼迫していた。平民たちは重税と飢えに喘ぎ、不満が渦巻いていた。そのことを知ったオスカルは、ジャルジェ将軍やジェローデル少佐の反対を押し切り、王宮守護の近衛隊から人民を守る衛兵隊に転属を願い出る。

衛兵隊への着任日、オスカルを迎えたのは荒くれた隊士たちだった。貴族出身のましてや女性であるオスカルの指示には従えないと、アランをはじめとする兵士たちは反抗的な態度を見せる。しかし、次第に彼らは心を開いていく。フランス国内はますます混迷を極め、人民の不満は募る一方で、それを力で押さえつけるため、オスカル率いる衛兵隊に出動命令が下るのは必至であった。

オスカルの屋敷で小間使いとして働き、オスカルを姉のように慕っていたロザリーは、今では革命家ベルナールの妻となっていたが、オスカルの転属を聞き、その身を案じていた。

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平民議員たちは国民議会解散の命に従わず、会議を開いていた。ブイエ将軍は、この議員たちを追いだそうと衛兵隊へ出動を要請する。しかしオスカルは、国民に銃を向けることはできないとその命令を拒否する。そのためオスカルは官位を剥奪されそうになるが、ジャルジェ将軍のとりなしで、何とか事なきを得る。ジャルジェ将軍は娘を男として育てたことを悔いていた。将軍はオスカルにジェローデル少佐との結婚を勧める。オスカルの結婚話を聞いたアンドレは絶望する。アンドレは、身分違いの恋と知りながらもオスカルに想いを寄せ、陰のように寄り添い生きてきたのだった。アンドレはオスカルに毒酒を飲ませ、自分も死のうとする。しかし自分勝手な思い上がりに気付き、危うく思い止まる。オスカルはアンドレの秘めた愛情の深さを知り驚くが、アンドレの存在の大きさを改めて思い知る。遂に国王からパリ出動命令が下ったその夜、オスカルはアンドレの想いを受け入れ、二人は結ばれるのだった。

戦端は切られた。オスカルは貴族の称号を捨て、フランスのため、衛兵隊と共に国王軍と戦う決心をする。その戦闘で、まずアンドレが銃弾に倒れた。その深い悲しみを振り切ってオスカルは指揮する。しかし、そのオスカルにも銃弾が。「バスティーユが落ちたぞ!」という民衆の声を聞きながら、オスカルは静かに息絶えるのだった……。

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