制作発表会レポート

2015年6月10日(水)、宝塚歌劇雪組公演 ミュージカル・ノスタルジー『星逢一夜(ほしあいひとよ)』、バイレ・ロマンティコ『La Esmeralda(ラ エスメラルダ)』の制作発表会が行われました。
  

江戸中期を舞台に、身分を越えた友情と思うままにならない運命を哀しく鮮烈に描く『星逢一夜(ほしあいひとよ)』、どこまでも続くエメラルドの海をバックに繰り広げられる、情熱の愛と夢の数々を描いたラテン・ショー『La Esmeralda(ラ エスメラルダ)』。
新作オリジナルの日本物ミュージカルと、情熱的でロマンティックなラテン・ショーの、二作品への熱意に満ちた制作発表会の模様をレポートします。
  

パフォーマンスでみせた、日本物ならではの情緒ある世界観

小川理事長が「早霧率いる雪組の宝塚大劇場公演二作目となる本作は非常に大事な公演。雪組は、早霧の真摯な人間性があふれていて、この公演にピッタリ」と自信を見せる通り、雪組トップスター・早霧せいな(天野晴興役)、雪組トップ娘役・咲妃みゆ(泉役)、望海風斗(源太役)の3人による、芝居仕立てのパフォーマンスは、切なさの中にも爽やかさを感じる仕上がりで、上演に向けて期待が高まります。
  

  

  

宝塚歌劇の新世紀へつなぐオリジナル作品

パフォーマンス披露に次いで、制作発表会の会見では、演出家・出演者が意気込みを語りました。
  

役者の持ち味をいかした作品を

演出家 上田久美子(『星逢一夜(ほしあいひとよ)』担当)
「早霧、咲妃、望海という芝居巧者の三人は、特に内面的にあるものが魅力的な役者だと思いますので、今回はその魅力を最大限に引き出せる作品にしたいと考えました。例えて申し上げるならば、新鮮な魚を漁師から突然渡された板前が、どう料理しようかと思った時に、新鮮で美味しい魚は、素材自体を味わう刺身が一番と思うように、役者たちからにじみ出てくる味わいで作品を堪能していただきたく、思い切って虚飾のない日本物の芝居に挑戦いたしました。日本物にしかできない情の深い部分や、日本人特有の“義理と人情”の狭間で揺れ動く、激しい葛藤などをお見せできればと思っております。雪組生の熱演を、楽しみにお待ちいただければ幸いです」
  

“充実の雪組”、早霧の代名詞になるショーを目指して

演出家 齋藤吉正(『La Esmeralda(ラ エスメラルダ)』担当)
「早霧率いる雪組の第二ステージのショーは、“ヨーロッパ・ラテン”という趣向を凝らした作品です。“充実の雪組”の中心である早霧、咲妃、望海の三人 は、宝塚歌劇が誇る魅力的なトリデンテ(3トップ)と自負しております。その核の“雪組トップスター早霧せいな”のショーの代名詞になるような作品を目指 して、お客様の期待というプレッシャーを感じながら、制作に励んでおります。いまの雪組の充実感、そして華やかさや高いスキルを、皆様にご覧いただければ と思っております。今回の公演は、野球に例えますと、芝居を担当する上田久美子が先発をして、お芝居の好演に対して、私がお客様の活気や興奮の印象を守る クローザーの役割だと思っております。宝塚歌劇オリジナルの二本立ての公演に、どうぞご期待ください」
  

オリジナル作品で楽しんでいただける舞台を

雪組トップスター 早霧せいな
「雪組にとりまして、いまの体制で迎える大劇場二作目となる公演です。その大切な公演で、宝塚歌劇オリジナルのお芝居とショーの二本立てをさせていただけ ること、とても幸せに思っております。この二作品で、いまの雪組らしさと雪組生全員が輝いている姿をお見せできるように、またお客様が私たちとともに楽しんでいただける舞台を目指して精進して参ります。全く異なるタイプの両先生ですが、“パッション”が素晴らしいお二人なので、先生方の“パッション”に負けないよう、雪組生一丸となって、皆様に楽しんでいただける舞台をお届できればと思っております」
  

全力で素敵な作品に

雪組トップ娘役 咲妃みゆ
「今回は、お芝居とショーの二本立てということで、私自身まだまだ未熟な点もあり、課題もたくさんありますが、出演者の皆様と手を携えながら、先生方のご指導のもと、素敵な二作品に仕上がりますよう、全力でお稽古に取り組んで参りたいと思います」
  

心の動きを大切に、公演を盛り上げたい

雪組 望海風斗
「お芝居では三日月藩ですくすくと育った大らかさ、咲妃演じる泉への思いや早霧さん演じる晴興(紀之介)との友情、そして心の揺れ動きを大切に演じて、上田久美子先生が仰った“新鮮なお刺身”となって“板”の上に乗りたいと思います。ショーは、ラテン・ショーということで、いまからとても血が騒いでおりますが、暑い季節の熱い公演、熱い早霧さんにしっかりと付いて行き、作品を盛り上げて参りたいと思います」