ショースター!柚香光の魅力

写真 『はいからさんが通る』 原作/大和 和紀「はいからさんが通る」
(講談社KCDXデザート) (c)大和 和紀/講談社
フィナーレより(2020年)

2009年の初舞台以来、まばゆい輝きを放ち続ける花組トップスター・柚香光。ショー作品でも早くから活躍し、多くの観客を魅了してきました。今回の花組公演『Cool Beast!!』は、トップスターとなって初めての宝塚大劇場・東京宝塚劇場でのショー作品です。
公演への大きな期待が寄せられる今、これまでも花組公演を数多く手掛け、柚香をよく知る演出家・藤井大介のコメントを交えながら、柚香が出演したショー作品の一部を、印象的な場面とともにご紹介します。

花組公演『Le Paradis!!(ル パラディ)』-聖なる時間(とき)-(2011年)

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「華」「夢」「時」をテーマに構成された作品。パリの街を現代的な視線で捉えた大人向けのレビューは、シャンソンの名曲を織り交ぜて綴った、心に残る秀作です。少しのほろ苦さを含んだロマンティックなムードが、この公演で退団した当時の花組トップスター・真飛聖への惜別の想いと重なり、多くのファンが胸を熱くしました。

「フィー」役 ※通し役としてさまざまな場面に登場

当時まだ入団3年目の柚香は、狂言回し的な役どころを担う妖精フィー役に抜擢されました。少年の雰囲気をたたえた透明感のある美貌で、幕開きから観客を作品の世界に誘う姿は、まさに妖精そのもの。楽しいことが大好きで元気いっぱいのフィーを溌溂と演じ、注目を集めました。

作・演出/藤井大介より

柚香を初めて見た時のイメージから、パリの屋根裏に住む妖精の役を演じてもらいました。ダンスの実力があり、ビジュアルもいい彼女の登場でスタートしたら、印象的なオープニングになるのではないかという思いもありました。最初に登場するというプレッシャーは感じていたでしょうが、懸命に稽古を重ねて、とても魅力的に演じてくれました。

花組公演『宝塚幻想曲(タカラヅカ ファンタジア)』(2015年)

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宝塚歌劇100年の歴史が紡ぎだした伝統に、日本古来の美をちりばめ、四季折々の素晴らしさを謳ったレヴュー。新トップコンビ、明日海りおと花乃まりあの大劇場お披露目公演として上演されたこの公演は、フレッシュでエネルギーに満ちた作品でした。また、第二回宝塚歌劇団 台湾公演でも上演され、日本国内のみならず、海外でも好評を得ました。

第5場 第5楽章 籠球男子 アオイハナ

芹香斗亜扮する“アオイハナ”と、バスケットボールで対決する“強敵”役を演じた、ストーリー仕立てのダンスシーン。柚香はスピード感と躍動感に溢れたキレの良いダンスで、場面を盛り上げました。

花組公演『Melodia -熱く美しき旋律-』(2015年)

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熱く美しいメロディと心躍るリズムで奏でる数々の音楽…。花組のスターたちの個性が舞台の上で炸裂しました。現代的なジャズのビート、熱狂の中での情熱的なラテンのステップ、そして大階段での一糸乱れぬ燕尾服のダンスと、宝塚歌劇らしい華やかな場面が満載の充実した作品でした。

第4章 スペイン 熱き旋律 第13・14場

レビューの中でも見せ場のひとつである中詰め。スパニッシュのメロディにのって登場した柚香は、熱く激しいダンスで観客を魅了しました。男役ならではの凛々しさと艶やかさとをあわせ持つ、柚香の魅力が溢れたシーンでした。

花組公演『EXCITER!!2018』(2018年全国ツアー)

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2009年と2010年に花組公演で大好評を博し、2017年には全国ツアー公演でも高い評価を得た人気ショー作品が、2018年に柚香を中心とする花組全国ツアーメンバーにより再演されました。究極にクールなシーンで構成された刺激的な舞台は、各地で喝采を浴びました。

第6章 Tomorrow Exciter!!-明日への革命- S22・23

刺激、熱狂、興奮をもたらす者“EXCITER”をテーマに、男役の美学をとことん追求したこの作品の終盤で、名曲「Mas que nada」を気だるげな雰囲気をまとった柚香が歌うシーン。男役としての色気を備えた柚香の、アダルトでセクシーな一面が存分に発揮された場面となりました。

作・演出/藤井大介より

柚香は2009年の初演からすべて出演しており、この作品で主演を務めることを非常に喜んでくれていたのを覚えています。いつも200%の力で作品に取り組む努力家で、トップスター就任前に全国ツアー公演で主演するという大役を、その努力とパワーで見事にやり遂げ、柚香にしかできない、新しい作品になったと思います。

花組公演『シャルム!』(2019年)

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“シャルム”とはフランス語で、魅力、色香、魔法、呪文などを表す言葉。その言葉のとおり、パリに眠る地下都市を舞台に、妖しく官能的、かつ優美な世界が繰り広げられました。当時の花組トップスター・明日海りおの退団公演として、個性豊かな花組の輝きが詰め込まれた作品です。

S6 Résistance 地底の恋人

ドイツ軍侵略下のパリで、解放を求めて地下活動をしていたレジスタンスの青年と、銃弾に倒れた恋人とのドラマティックな場面。切れ味の良いダンスで定評のある柚香が、戦いに身を投じたがゆえの苦悩と嘆きをダンスと歌で表現しました。

花組公演『DANCE OLYMPIA』-Welcome to 2020-(2020年東京国際フォーラム)

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宝塚大劇場でのお披露目を前に、新トップスター柚香光の魅力に迫った作品。一幕は、現代にタイムスリップしたギリシア神話の英雄アキレウスを主人公にしたストーリー仕立てのショー、二幕は世界の多彩なパフォーマンスで構成されたダンスコンサート。ショースターとしての柚香の実力と魅力をたっぷり堪能できる作品でした。

第Ⅰ幕 S9 Sunrise Again

現代のマンハッタンから、古代ギリシアの世界に戻ってきたアキレウスのなかに残る“踊る喜び”を表現した印象的なシーン。柚香は全身から溢れ出る感情を、伸びやかなダンスで見せ、新生花組を率いるリーダーとしての輝きと頼もしさを感じさせました。


前回の花組で担当したショー『Sante!!』(2017年)で柚香光の多面的なスター性を再認識したと語る藤井大介が、作・演出を担当する花組公演『Cool Beast!!』。この公演で、また新たな柚香の魅力が引き出されることでしょう。
柚香光を中心とした出演者たちが巻き起こす旋風を、ぜひ劇場で体感してください!