礼真琴 meets ASIA
紀元前の中国大陸を舞台にした歴史ファンタジー『眩耀(げんよう)の谷 ~舞い降りた新星~』で大劇場公演でのトップスターお披露目を果たす礼真琴は、これまでにもアジアが舞台の作品に出演してきました。
同じアジアでも、それぞれに時代や国が異なり、その世界観は多種多様です。ここでは、礼が演じたアジア各地の物語と、その幅広い役柄を振り返ってみましょう。
『怪盗楚留香(そりゅうこう)外伝-花盗人(はなぬすびと)-』(2013年)
“台湾のアルセーヌ・ルパン”と親しまれる洒脱な怪盗、楚留香の華麗なる活躍を描いた作品を、星組選抜メンバーにより台湾で上演、好評を得た。
礼は石繍雲(せきしゅううん)で女役に挑戦。序盤、通りすがりの楚留香を惹き付ける“霊送りの歌”で、情感あふれる歌声を響かせた。また、姉の仇討ちを試みる一方で、楚留香に心を奪われていく娘心の移ろいを、丁寧に表現した。
『オーム・シャンティ・オーム -恋する輪廻-』(2017年)
“輪廻転生”がテーマのインド映画を原作にした、時空を超える愛の物語。
ボリウッドの粋を極めた傑作映画をミュージカル化した作品で、礼が演じたのは主人公と因縁を持つムケーシュ役。野心に満ちた若き敏腕映画プロデューサーから、彼が歳を重ねた30年後も演じ、権力の座に上り詰めた男の風格を漂わせた。明るく楽しいミュージカルの中で、野心のためなら手段も選ばない非情な悪役に徹し、強烈なインパクトを残した。
『阿弖流為 –ATERUI–』(2017年)
8世紀の東北地方で、故郷を守るために立ち上がった蝦夷(えみし)の若き指導者の生き様を描く、スペクタクルなミュージカル。
この公演で主演を務めた礼は、力強いダンスと歌唱でオープニングから客席を惹き付けると、迫力に満ちた立ち回りも披露し、その実力をあますところなく発揮した。また、堅実な芝居で、誇り高き英雄・阿弖流為(あてるい)の骨太で野性的な人物像を、的確に表現してみせた。
『ANOTHER WORLD』(2018年)
個性豊かなキャラクターたちが“この世”と“あの世”で繰り広げる、純愛冒険物語にして、抱腹絶倒の落語ミュージカル。
礼扮する大店の若旦那・徳三郎は、贅沢に飽きて冥途に来るような変わり者。恋患いで死んだ主人公に感動し、ひと肌脱ごうとする情の厚さも持つ、どこか憎めないキャラクターを、江戸っ子の粋も漂わせつつコミカルに演じ、新たな一面を見せた。
『Thunderbolt Fantasy(サンダーボルト ファンタジー)東離劍遊紀(とうりけんゆうき)』(2018年)
アジア各国で好評を博す台湾発の人形劇を、宝塚歌劇が世界で初めてミュージカル化。このスリリングな武侠ファンタジーで、礼は再び台湾公演の舞台に立った。
純粋な若者の捲殘雲(ケンサンウン)が、仲間たちと関わるなかで本当の正義を学び、愛する女性を守るために成長していく過程を、礼は細やかに表現。また、長槍の使い手としての華麗なアクションでも観客を魅了した。
『GOD OF STARS-食聖-』(2019年)
上海、シンガポール等のゴージャスでスタイリッシュな現代アジアを舞台にしたクッキング・コメディー。
礼は、天才シェフの下で自信を喪失している料理人、リー・ロンロンが、トップアイドルへのひと目惚れをきっかけに、別人のように変貌を遂げていくさまを熱演。ネガティブエンジン全開の姿と、好きな女性を前に格好つけるギャップで客席の笑いを誘うなど、チャーミングな演技で、愛すべき魅力的な人物像を作り上げた。
星組新トップコンビの大劇場お披露目公演でもある今作は、謝珠栄氏が創り出す幻想的でドラマティックな物語です。
古代中国を舞台に、一人の青年に待ち受ける試練と運命、そして希望を描いた星組公演『眩耀(げんよう)の谷 ~舞い降りた新星~』を、どうぞお楽しみに!
『オーム・シャンティ・オーム -恋する輪廻-』 (C)Red Chillies Entertainments Pvt Ltd./Asian Films Co.,Ltd.
『阿弖流為 –ATERUI–』 原作/高橋 克彦「火怨 北の燿星アテルイ」(講談社文庫) (c)高橋 克彦/講談社
『Thunderbolt Fantasy(サンダーボルト ファンタジー)東離劍遊紀(とうりけんゆうき)』 ~虚淵玄 原案・脚本・総監修「Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀」より~ (c)2016-2018 Thunderbolt Fantasy Project